お金が欲しいんじゃない。自分を信じられる証拠が欲しかった

お金が欲しいんじゃない 自分を信じられる証拠が欲しかった エッセイ

私は、お金を稼ぎたい。

できることなら、好きなことを仕事にして、しっかり稼げるようになりたい。

だからずっと、

「もっと収入を増やしたい」
「自分の力で稼げるようになりたい」

と思ってきた。

でも、自分の気持ちを掘り下げてみたら、少し違うものが見えてきた。

もちろん、お金は欲しい。

生活するためにも必要だし、お金に余裕があれば選べることも増える。

だけど、私がお金を欲しがる理由は、それだけじゃなかった。

私はもしかすると、

自分を信じるための証拠として、お金を求めていたのかもしれない。

もし、明日から何もしなくても毎月100万円が入ってくるとしたら。

生活費の心配もない。

家族の将来も安心。

働かなくてもいい。

最初はきっと嬉しいと思う。

欲しかったものを買って、おいしいものを食べて、のんびり過ごす。

でも、その生活がずっと続くところを想像した時、私の中に出てきた感情は意外なものだった。

寂しい。むなしい。

そして私はきっと、また何かを作り始める。

文章でも、メディアでも、新しい事業でもいい。

自分の頭の中に浮かんだものを形にしたくなる。

そして、それを誰かに見てもらいたい。

評価してもらいたい。

「こんなこと考えたんだよ」

って、自分のことを知ってもらいたい。

つまり私にとって、お金の心配がなくなることと、満たされることは同じではなかった。

私は、何かを作ることが好きだ。

新しいアイデアを思いつくことも好きだし、

「これ、もしかしていけるんじゃない?」

と考えながら試している時間も好き。

でも、ひとつ苦しいことがある。

結果が出るまで、それが価値のあることなのか自分でも分からなくなること。

特に、私の身近にいる人は結果を大切にする。

何時間考えたとか、何日間作り続けたとか、どれだけ試行錯誤したとか。

そういう過程よりも、

「それで、結果は出たの?」

という部分を見る。

私はそれを悪いことだとは思っていない。

実際、仕事として考えるなら結果は大切だ。

だけど私は、結果が出る前の時間も好きなのだ。

まだ誰にも評価されていないものを作ったり、試したり、失敗したり。

その時間そのものが楽しい。

だからこそ、結果が出ない期間が続くと、ときどき不安になる。

「これって本当に意味があるのかな」

「私はまた、何にもならないことをしているのかな」

そんなことを考えてしまう。

もし、私が作ったものが大きく育って、きちんとお金を生むようになったら。

たぶん私は、収入が増えたこと以上に、

「やっと見てもらえた」

と思う。

「ずっと頑張ってたもんな」

「これなら仕事としてやっていけるな」

そんなふうに言ってもらえたら、きっとものすごく嬉しい。

そして、その瞬間に私の肩から下りるものがある。

もう、認められるための努力をしなくていいんだ。

たぶん私は、そう思う。

一度ちゃんと結果を出して、

「この人は、自分で考えて何かを形にできる人なんだ」

と認めてもらえたら。

そこからやっと、もっと自由に、伸び伸びと作れる気がする。

新しいことを始めても、

「それ、お金になるの?」

ではなく、

「Lunaがやるなら、何か考えがあるんじゃろ」

と思ってもらえる。

そんな信頼ができたら、私はもう周りから欲しいものはあまりないのかもしれない。

その先で欲しくなるものは、たぶん別のものだ。

自分自身への自信。

新しいアイデアを思いつく。

やってみる。

形にする。

そして、また成功する。

そのたびに私は、

「ほら、やっぱり」

「うちの考え、合っとったじゃん」

「やっぱうち、すげーな」

って思いたい。

誰かに褒めてもらうためではなく、

自分で自分を信用できる材料を、ひとつずつ増やしていきたい。

考えてみれば、私はこれまで、自分を疑うことの方が多かった。

「どうせ続かない」

「また途中で飽きるかもしれない」

「本当にこれでいいのかな」

自分の中からアイデアは次々出てくるのに、それを生み出している自分自身のことは、なかなか信用できなかった。

だから結果が欲しかった。

数字が欲しかった。

お金が欲しかった。

目に見えるものがあれば、

「ほら、間違ってなかった」

と自分に言えるから。

でも、ここまで考えて、ひとつ思った。

順番が逆なのかもしれない。

結果が出たら自分を信じるんじゃなくて、結果が出る前の自分を、一度くらい本気で信じてみてもいいんじゃないか。

もし何年か先の私が、今の私の前に現れたら。

たぶん、こう言う。

「自分をもう一度、本気で信用してみ?」

「Lunaって、ほんとはめっちゃすごい子なんよ」

「やってみたら分かるよ」

「信じてごらん」

未来で成功している保証なんて、今の私にはない。

これから作るものが全部うまくいくとも思っていない。

失敗することだって、きっとある。

それでも、

結果が出るまで自分を疑い続ける必要はないのかもしれない。

お金は、もちろん欲しい。

たくさん稼げたら嬉しい。

でも私は、お金そのものだけを追いかけていたんじゃなかった。

その向こう側にある、

「私は、自分の感覚を信じてもいい」

という確信が欲しかった。

だったら、その確信を全部未来の結果に任せなくてもいい。

まだ何者でもない今の自分にも、少しくらい先に渡してあげてもいいのかもしれない。

自分を一度、本気で信用してみる。

その結果がどうなるのか。

今度は、それを自分自身で確かめてみたい。

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