「待つ」ことは、何もしないことじゃない

待つことは何もしないことじゃない エッセイ

恋愛で不安になると、
人は「何かしなきゃ」と思う。

返事が来ない。

さっき送った言葉、重たかったかな。
ちゃんと伝わったかな。
怒ってるのかな。
もう気持ちが冷めたのかな。

考え始めると、どんどん不安になる。

そしてスマホを開いては、

「もう一回送った方がいいかな」

と思ってしまう。

言い方を変えたら伝わるかもしれない。
もう少し素直に言えば分かってくれるかもしれない。

何もしないでいることが、
二人の関係を諦めているような気さえしてくる。

でも最近、人の恋愛の悩みを聞きながら思った。

気持ちを伝えたあとには、自分には何もできない時間がある。

そして、その時間もきっと必要なんだと思う。

自分の気持ちを伝えるところまでは、自分にできる。

「私はこう思ってる」

「本当はこうしたい」

「仲直りしたい」

そこまでは、自分の気持ちだから自分で伝えられる。

でも、

その言葉をどう受け取るのか。
何を感じるのか。
どんな答えを出すのか。

そこから先は、相手のものなんよね。

どれだけ好きでも、
どれだけ早く仲直りしたくても、

相手の心の中まで入っていって、
代わりに答えを出すことはできない。

だから一度気持ちを渡したら、
今度は相手がその気持ちと向き合う番なんだと思う。

だけど、この時間が一番苦しい。

何も返ってこないと、

「伝わってないのかも」

と思ってしまうから。

だから、もう一度送る。

それでも返事がなかったら、また送る。

気づけば、

「どう思ってる?」

「ちゃんと考えてる?」

「返事して」

と、答えを求め続けてしまう。

でも相手は、無視しているんじゃなくて、
まだ自分の中で答えを探している途中なのかもしれない。

そんな時に次々と言葉を投げたら、

相手は最初にもらった言葉について考える前に、
また次の言葉を受け取らなきゃいけなくなる。

不安だから追いかけたくなる。

でも、追いかけない方がいい時間もある。

私は以前、

「待つ=何もしない」

だと思っていた。

ただ時間が過ぎるのを眺めて、
相手から何かしてくれるのを待つ。

なんだか受け身で、
自分の人生を相手任せにしているような気がしていた。

でも、少し違うのかもしれない。

待つって、

相手が考える時間を、ちゃんと相手に渡すこと。

自分の不安を落ち着かせながら、

「私は伝えることは伝えた。
ここから先は、あなたが考える番だよ」

と、一度手を離すこと。

それって、何もしないことじゃない。

むしろ、すごく勇気がいる。

そしてもうひとつ。

相手を待っている間も、
自分の人生まで止めなくていい。

仕事に行って、
ご飯を食べて、
友達と笑って、
好きなことをして。

スマホの通知ひとつに、
一日の気分を全部預けなくていい。

相手には相手の時間があって、
自分には自分の時間がある。

その二つをちゃんと分けられた時、

恋愛は少しだけ苦しくなくなるのかもしれない。

伝えるところまでは、自分の役目。

受け取って考えるのは、相手の役目。

だから、

伝えるべきことを伝えたのなら、
あとは少しだけ待ってみてもいい。

何もしないんじゃない。

相手の時間を、相手に返しているだけ。

そしてその間は、

自分の時間を、自分のために使えばいい。

恋愛を大切にすることと、
自分の人生を大切にすることは、

きっと両方できるから。

🌙 Lunaのことば

答えを急がせないことも、
ひとつの愛情なのかもしれない。

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