今の私は、お弁当の配達のパートをしている。
月の給料は、だいたい10万円。
決して多くはない。
それでも最近、お金の計算をする回数が驚くほど減った。
以前の私は、1ヶ月のうちに何度も電卓を開いていた。
「あといくら残ってる?」
「この支払いをしたら生活費はいくら?」
「給料日まで、どうやって暮らそう」
計算しては焦って、なんとかなる方法を見つけて少し安心する
そして数日後、また不安になって計算する。
それを何度も繰り返していた。
過去には、月収200万円ほど稼いだこともある。
それなのに不思議なことに、月10万円ほどのパート収入で暮らしている今のほうが、お金に対する不安は少ない。
もちろん、お金に余裕があるわけではない。
欲しいものを何でも買えるわけでもない。
それでも今は、給料日前に翌月の収支をシミュレーションするくらいで、1ヶ月の途中で血相を変えて電卓を叩くことはほとんどなくなった。
「なんでだろう?」
考えてみると、変わったのは収入ではなく、お金との付き合い方と、私の働き方だった。
給料日は「ご褒美デー」だった
以前の私にとって、給料日は特別な日だった。
毎日頑張って仕事をしたご褒美。
普段は「お金がないから買えない」と我慢することが多かったから、口座に給料が入ると一気に気持ちが大きくなった。
「やっと買える!」
その解放感に近い感覚で、コンビニへ行く。
ジュース、二郎系ラーメン、ホットスナック、お菓子。
友達と外食に行ったり、服を買ったりすることもあった。
今思えば、欲しいものを買っていたというより、ストレスを発散していたんだと思う。
もともと仕事をすること自体が好きなわけではない。
それでも毎日頑張って働いている。
だから、何かで自分を満たしてあげなければ頑張れないような気がしていた。
「こんなに頑張ったんだから、これくらいいいよね」
そうやって自分にご褒美をあげていた。
そして数日後、支払いを計算する。
その頃には、もう足りない。
「今月カツカツなの、給料が入る前から分かってたのに」
「なんでまた暴走しちゃったんだろう」
今度は自分を責める。
それでも次の給料日になると、また同じことを繰り返していた。
お金がない不安が、お金を使わせていた
私はかなりの浪費家だと思う。
過去には月収200万円ほど稼いだこともあるけれど、その頃ですら1ヶ月でほとんど使っていた。
たぶん私は、お金があればあるだけ使える。
だから長い間、
「もっと稼げば、お金の不安はなくなる」
と思っていた。
でも違った。
今振り返ると、むしろお金がないことへのストレスが大きすぎたから、お金を持ったときの反動も大きかったんだと思う。
普段ずっと、
「買えない」
「我慢しなきゃ」
「お金がない」
と思っている。
そんなところに給料が入ると、
「やっと自由になった」
という感覚になる。
そして、それまで我慢していた自分が反発するように使ってしまう。
お金がないことが不安なのに、その不安を解消するためにお金を使う。
そしてまた、お金がなくなる。
ずっとその繰り返しだった。
「もう変わらないと」と思った
きっかけは、クレジットカードの支払いだった。
支払いもできない。
生活費もない。
そんな状態になって、さすがに思った。
「もう限界だ。変わらないと」
そこから、毎日のレシートを全部残すようにした。
1週間ごとに集計して、自分が何にいくら使ったのかを見る。
それを3週間続けた。
すると、タバコやお酒だけではなく、コンビニでのちょっとした買い物、お菓子、結局使い切れなかった食材。
一回一回は大きく見えない出費が、思っていた以上に積み重なっていた。
それから私は、給料が入ったら先に支払い分を分けるようになった。
生活費も1週間ごとに予算を決め、その週に使える分だけ財布に入れる。
もちろん今でも、欲しいものはある。
給料日にコンビニで1,000円くらいご褒美を買うことだってある。
でも、それ以上は使わない。
「我慢できる人」になったわけではない。
ただ、前みたいに、
「お金がない。どうやって暮らそう」
と何度も焦る生活に戻るほうが、嫌になった。
もっと稼げば幸せになれると思っていた
お金の不安は、浪費だけではなく、私の働き方にも影響していた。
ブログもYouTubeも昔からやっていた。
本当は、そういうものをゆっくり育てることが好きだった。
でも、お金がないと焦っていると、
「いつ収益になるか分からないものに時間を使っている場合じゃない」
と思ってしまう。
だから、すぐにお金になる副業を増やした。
もっと給料がもらえる会社を探して、転職を繰り返した時期もあった。
「この会社の給料じゃ生活できない。もっと稼げるところへ行こう」
そう思って仕事を変える。
給料が増えれば、安心できると思っていた。
でも給料が高い仕事は、その分やることも増えた。
副業を増やせば納期も増える。
時間がなくなる。
睡眠時間が減る。
体力もなくなる。
心も疲れる。
そしてストレスが溜まると、またお金を使って自分を満たしたくなる。
もっと稼ぐ。
もっと疲れる。
もっと使いたくなる。
私はずっと、その輪の中をぐるぐる回っていたのかもしれない。
月10万円のパートで、心が穏やかになった
今の私は、お弁当の配達をしている。
私は、人と関わると疲れやすい。
今の仕事は、会社を出れば基本的に一人で配達に回れる。
車を運転して、自分のペースでお弁当を届けていく。
人間関係で必要以上に気を遣うこともない。
給料は決して多くないけれど、私にとってはストレスが少なく、とても快適な仕事だ。
以前の私は、
「もっと給料が高いところへ行けば、生活が楽になる」
と思っていた。
でも、給料が増えると仕事の負担も増えた。
やることが増えて、責任が増えて、心にも時間にも余裕がなくなる。
疲れれば疲れるほど、
「こんなに頑張ったんだから」
と、自分へのご褒美にお金を使いたくなった。
たくさん稼いでいるはずなのに、なぜかずっとお金に追われていた。
それなのに今は、月10万円ほどのパートをしながら、以前よりずっと穏やかに暮らしている。
仕事が終わっても、まだ自分のために使える体力が残っている。
ブログを書いたり、YouTubeを作ったり。
今すぐお金にならないことにも、焦らず時間を使えるようになった。
そして、お金の不安を解消するために、また別の仕事を増やそうとも思わなくなった。
収入だけを見れば、昔のほうが圧倒的に多かった。
でも、今のほうが心には余白がある。
たぶん私に必要だったのは、
たくさん稼げる仕事ではなく、働いたあとにも自分が残っている仕事だった。
私に必要だったのは、もっと稼ぐことじゃなかった
私はずっと、
「もっと稼げば安心できる」
と思っていた。
でも私に必要だったのは、もっと稼ぐことではなく、
今あるお金で安心して暮らせる仕組みを作ることだったのかもしれない。
収入が増えれば、必ず心の余裕も増えるわけではない。
私の場合はむしろ、心の余裕ができたことで、お金に振り回されることが減っていった。
お金の不安は怖い。
ただ生活が苦しくなるだけじゃない。
焦って仕事を増やしたり、本当は大切にしたいものを後回しにしたり、自分にとって何が幸せなのかさえ見えなくなったりする。
お金の不安は、いろんな判断を鈍らせる。
だから今は、収入の大きさだけで自分の暮らしを測らなくなった。
たくさん稼いで、たくさん使って、また不安になる生活より。
必要なお金を把握して、好きなことに使える時間があって、次の給料日まで穏やかに暮らせること。
今の私にとっては、そっちのほうがずっと豊かだ。
🌙 Lunaのことば

お金の安心は、
「いくら持っているか」だけでは決まらない。
今あるお金で大丈夫だと思えること。
そして、働いたあとにも
自分のための時間と心が残っていること。
その余白ができて初めて、
自分が本当に進みたい方向も見えてくるのかもしれない。


コメント