仕事ができるようになったのに、なぜか居心地が悪くなった

仕事ができるようになった 居心地が悪くなった エッセイ

私は今、パートでお弁当の配達をしている。

最初から仕事ができたわけではない。

道を覚えて、配達先を覚えて、少しずつ効率よく回れるようになった。

気づけば、以前よりずっと早く帰ってこられるようになっていた。

そして最近、私が担当する仕事が増えた。

午前中の配達だけではなく、午後の配達や回収。

少し遠い場所まで任されるようになり、以前は別の人が担当していた仕事も、少しずつ私のところへ集まってくるようになった。

会社から見れば、とても自然なことなのかもしれない。

同じ時間働いてもらうなら、たくさん回れる人に任せた方が効率がいい。

人件費だって抑えられる。

私自身、以前フリーランスで仕事をしていたから、その感覚はよく分かる。

「会社として考えたら、今のやり方の方がいいよな」

そう思っている。

仕事が増えたこと自体も、それほど大変だとは思っていない。

それなのに。

最近、会社にいると少し居心地が悪い。

理由は分かっている。

私の仕事が増える一方で、仕事が減っている人がいるからだ。

以前その配達を担当していた人。

午後も働いていたのに、今は午前中だけになった人。

私はただ、自分に任された仕事をやっているだけなのに、

「私がこの人の仕事を取ってしまったのかな」

そんな気持ちになる。

周りから不満の声が聞こえてくると、さらに苦しくなる。

もちろん、誰にどの仕事を任せるのかを決めたのは私ではない。

「この仕事を私にください」

と言ったわけでもない。

ただ毎日、任された仕事をこなしていた。

少しでも早く回れるように道を覚えて、効率を考えて、ちゃんと仕事をしてきただけだ。

その結果、任される仕事が増えた。

普通なら、

「評価してもらえた」

と喜んでもいいことなのかもしれない。

でも私は、なかなかそう思えなかった。

誰かが得をすると、誰かが損をする。

自分が評価されると、誰かの居場所がなくなる。

そんなふうに感じてしまうからだ。

昨日、このことを家で話した。

すると、

「会社の都合のいいように使われんように」

と言われた。

その言葉を聞いて、少しハッとした。

私はいつの間にか、会社側の事情まで自分の問題として考えていた。

この方が効率がいい。

この方が人件費を抑えられる。

このルートなら私が回った方が早い。

確かに、それは間違っていないと思う。

でも。

会社の事情を理解できることと、会社の事情まで背負うことは違う。

同じように、

誰かの仕事が減ったことを悲しく思うことと、その責任まで私が背負うことも違う。

私は誰かから仕事を奪うために頑張ってきたわけじゃない。

誰かより上に行きたくて、早く配達していたわけでもない。

ただ、自分に任された仕事をちゃんとやろうとしていただけだ。

それでも誰かが不満そうにしていたら、私はきっとこれからも気になると思う。

「そんなの気にしなければいい」

とは、たぶん思えない。

私は、人の気持ちが見えてしまう。

自分だけが快適になれば、それでいいとも思えない。

だから、この居心地の悪さを無理やり消さなくてもいいのかもしれない。

ただ一つ、覚えておきたい。

誰かに申し訳ないからといって、自分の評価まで小さくしなくていい。

そして、会社から評価されたからといって、会社のために何でも背負わなくてもいい。

評価は、評価として受け取る。

でも、自分の働き方やこれからを決める権利まで、会社に渡さない。

その間に立つことが、今の私には必要なのかもしれない。

仕事ができるようになったのに、なぜか居心地が悪くなった。

それは、私が間違ったことをしたからではなくて、

自分の頑張りだけではなく、その向こう側にいる人のことまで見えてしまったからなのだと思う。

だったら私は、この優しさまで捨てなくていい。

ただ、他人の気持ちと会社の事情を全部抱えて、自分まで苦しくなる必要もない。

自分の仕事は、自分の仕事。

会社の判断は、会社の判断。

誰かの人生は、誰かの人生。

その境界線を少しずつ覚えながら、

私は私の仕事をしていけばいい。

Lunaのことば

仕事が増えた。

新しい車も用意してもらった。

きっとこれは、私がここで積み重ねてきたものの結果なんだと思う。

それなのに、素直に喜べない自分がいた。

誰かの仕事が減ったことまで、自分のせいのように感じていたから。

でも、誰かを気にかけることと、その人の分まで背負うことは、たぶん違う。

私はこれからも、誰かの表情を見てモヤモヤすることがあると思う。

それでも、自分が頑張ってきたことまでなかったことにはしたくない。

人に優しくありたい。

でも、その優しさの中に、自分もちゃんと入れておきたい。

今は、そんなふうに思っている。

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