好きな人から、連絡が来ない。
たったそれだけのことで、
一日がものすごく長くなることがある。
朝、スマホを見る。
来ていない。
仕事の合間に見る。
やっぱり来ていない。
夜になって、
「今日は来るかもしれない」
と思いながら待つ。
でも、来ない。
そうすると、だんだん頭の中で答えを作り始める。
「もう好きじゃないんだ」
「他に好きな人ができたのかな」
「私のことなんて、どうでもいいんだろうな」
連絡がない。
ただ、それだけだったはずなのに。
いつの間にか、
「連絡がない=気持ちがない」
に変わっている。
でも、人の気持ちはそんなに単純ではない。
好きでも連絡できない人はいる。
何を送ればいいのか分からなくて、止まってしまう人もいる。
一度距離ができたことで、
今さらどうやって近づけばいいのか分からない人もいる。
傷つくのが怖くて動けない人もいるし、
自分の生活でいっぱいいっぱいになって、
恋愛を後回しにしてしまう人だっている。
だから、
連絡が来ないという事実だけで、
「もう気持ちはない」
と決めつけることはできない。
好きだから連絡する人もいれば、
好きだからこそ慎重になる人もいる。
人の心って、
LINEの通知ほど分かりやすくはできていない。
それを知ると、
少し安心する。
「じゃあ、まだ好きでいてくれているかもしれない」
そう思えるから。
でも、ここで私はもうひとつ、
忘れたくないことがある。
相手に気持ちがあることと、
その人を待ち続けていいことは、別の話だ。
「彼にも気持ちはあると思う」
その言葉があれば、
半年でも一年でも待てるような気がする。
いつか連絡が来るかもしれない。
いつか状況が変わるかもしれない。
いつか勇気を出してくれるかもしれない。
その「いつか」を信じること自体は、
悪いことじゃない。
好きな人を簡単に諦められないことだってある。
でも、
その「いつか」のために、
今日の自分まで止めなくていい。
私は、
「待つ」という言葉には、
どこか優しいイメージを持っていた。
一途で、
相手を信じていて、
愛情深い。
そんなイメージ。
でも実際の「待つ」は、
そんなにきれいなものばかりじゃない。
スマホが鳴るたび期待する。
SNSのオンライン表示を気にする。
相手の投稿ひとつで一喜一憂する。
友達と出かけていても、
「今、連絡が来たらどうしよう」
とどこかで考えている。
新しい出会いがあっても、
「でも、あの人から連絡が来るかもしれない」
と踏み出せない。
そうやって、
まだ起きていない未来のために、
今の自分の時間を少しずつ差し出してしまうことがある。
たぶん、恋愛で苦しいのは、
「好きだから」だけではない。
答えがないから苦しい。
嫌いなら嫌いと言ってほしい。
終わりなら終わりと言ってほしい。
待ってほしいなら、そう言ってほしい。
でも、
何も言われない。
だから自分で意味を探す。
昨日のLINEを読み返したり、
最後に会った日の表情を思い出したり、
「あの言葉はどういう意味だったんだろう」
と何度も考える。
そして、
ほんの少しでも希望になりそうなものを見つけると、
また待ててしまう。
でも、本当は。
相手の気持ちを考えることと同じくらい、
考えていいことがある。
「私は、どうしたい?」
ということ。
彼が私を好きかどうかではなく、
私はこの関係で幸せなのか。
彼からいつ連絡が来るかではなく、
私はいつまでなら待ちたいのか。
彼がいつか変わるかではなく、
今の彼との関係を私は望んでいるのか。
恋をすると、
どうしても相手が主語になりやすい。
「彼はどう思っている?」
「彼は連絡してくる?」
「彼は戻ってくる?」
「彼は私を好き?」
でも、
自分の人生の主語まで、
彼に渡さなくていい。
もちろん、
「じゃあ連絡が来ないなら、すぐ諦めよう」
という話でもない。
待ちたいなら、待っていい。
まだ好きなら、
無理やり嫌いになる必要もない。
人の気持ちは、
電源みたいに今日からOFFにはできないから。
ただ、
待つことと、止まることは違う。
私はこの言葉を大切にしたい。
好きなまま、
自分の生活を楽しんでもいい。
連絡を待ちながら、
友達と笑ってもいい。
新しいことを始めてもいい。
仕事を頑張ってもいい。
髪を切ってもいい。
旅行に行ってもいい。
そして、
もし心が動く人に出会ったなら、
その人を知ろうとしてもいい。
「待つと決めたから」
という理由で、
自分の未来まで予約席にしておく必要はない。
もしかすると、
明日連絡が来るかもしれない。
半年後かもしれない。
もう来ないかもしれない。
それは、今の自分には分からない。
そして、
相手の心の中にまだ気持ちが残っている可能性だってある。
でも、
相手が心の中で何を思っているかだけでは、
関係は進まない。
恋愛は、
気持ちだけでは続かないことがある。
言葉にすること。
会おうとすること。
向き合うこと。
大切にしようとすること。
そういう「行動」があって、
初めて二人の関係になる。
どれだけ心の中で想われていたとしても、
ずっと一人で待っている側が苦しいなら、
その苦しさまで我慢しなくていい。
連絡がないからといって、
愛されていないとは限らない。
だから、
すぐに自分の価値まで否定しなくていい。
でも同時に、
相手に気持ちがあるかもしれないからといって、
永遠に待たなければいけないわけでもない。
この二つは、
矛盾しているようで、
たぶん両方とも本当だ。
「まだ好きかもしれない」
そう思いながら、
前に進んでもいい。
「いつか連絡が来たらいいな」
と思いながら、
今日を楽しんでもいい。
そしていつか、
スマホを確認する回数が減って、
その人のことを考えない時間が増えて、
気づけば自分の毎日がまた動き始める。
その途中で連絡が来たなら、
そのときの自分が、
もう一度考えればいい。
待っていた頃の自分が決めた答えに、
未来の自分まで縛られなくていい。
恋愛は、
相手の気持ちが分からないから苦しくなる。
でも、
分からないものをずっと追いかけるより、
ひとつだけ確かめられるものがある。
私は今、この恋をどうしたいのか。
相手の気持ちは、
相手にしか分からない。
でも、
自分の人生をどう過ごすかは、
今日の自分が決められる。
連絡がない=気持ちがない、とは限らない。
でも、
気持ちがあるかもしれない=待ち続けなければならない、
でもない。
好きなままでもいい。
期待が残っていてもいい。
ただ、
あなたの時間まで、止めなくていい。
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